それぞれのStory

茂田直大さん(39、神奈川、RCOJ9910009)

ロードスター25周年、そして新型ロードスターの発表、おめでとう御座います。
私が所有しているロードスターは94年生まれで、99年に5年落ちの中古車として購入しました。既に15年、共に過ごしていますが、NA6型を所有しておられる方にとっては、まだまだ若いと見られてしまう事でしょう。
私がロードスターに心惹かれる様になったのは、90年のVスペシャル発表の時と記憶しております。この時、新聞にかなり大きな広告がうたれておりました。左側面の写真が載せられており、幌は下ろしたものでした。本紙に乗せられた広告なので、色はモノクロです。唯ただ、その美しいラインの車体に目を奪われてしまい、10分程、その写真を眺めておりました。車音痴の私には、ユーノスという聞きなれないメーカーの車でしたが、その名前も直ぐに覚えてしまう程でした。
当時は未だ学生でしたので、よく、将来乗りたい車を尋ねられました。ロードスターかな。そう答えますと、答えは二通りで、“いい車だよね”というものと、“RX-7の間違い?”というものでした。いい車と肯定されますと、何やら気恥ずかしく、否定されますと、何やら悲しく、思春期を過ぎたばかりの私には、少しばかり面倒なものでした。
ロードスターを購入しましたのは、その9年後の事で、社会人を数年過ごした頃でした。ペーパードライバーの自分には車は荷が重いと、一月程購入を悩んだのですが、最後には買う事を選びました。当時、NB型が発表されていたのですが、どうせ直ぐに壊してしまうからと、中古車を購入しました。
どうせ直ぐに壊してしまうからと、選んだ車ですが、今でも毎日乗っています。二度程、フレーム修正をする事故を経験しています。車を買い替える事を、何度か悩んだ事も有ります。でも、キーを捻ると、エンジンの良い音がするのです。その音は、自分の強さを主張するものでは無く、例えるなら、愛犬がすり寄って来て、差し出した手を優しく舐める様なものです。優しく、私に寄り添ってくれます。その度に買い替えを悩んだ事に、罪を感じてしまいます。買い増しにしようかな。それならいいよね。ロードスターに答えます。
私のロードスターにも、色々と不調が出ています。色々な悩みは有ります。でも、もうしばらく、ロードスターに手を差し出していたいと思います。
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    (RCOJ会報vol.70巻頭 from officeから)